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高潔な誓い

高潔な誓い
投稿日: 2014 Nov 13 17:17 -0500 GMT

著者: EM Drosselmeyer


(以下、原文)
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過去を思い起こす・・・

過去を思い起こす・・・
投稿日: 2014 Sep 26 17:20 -0400 GMT

著者: EM Drosselmeyer


(以下、原文)

古い友人、新たな敵

古い友人、新たな敵
投稿日: 2014 Sep 19 19:27 -0400 GMT

著者: EM Drosselmeyer


(以下、原文)

新たな友人たち、古き敵たち

新たな友人たち、古き敵たち
投稿日:2014年9月19日
By:EM Drosselmeyer

地下の洞窟は別の爆発で揺らぎ、彼の攻撃の猛威で屋根からは埃や小石が舞った。その女は石の椅子にただ座って、数人の自分の手下と男との戦いに聞き耳を立てた。彼女はその男が自分の手下に勝っていることは知っていた。彼が近づいてきたため彼の必死で強烈な声が聞こえた。彼は予想よりはるかに強力な呪文を唱えていたので、彼女は彼の激しさに全体が崩壊するんじゃないかと一瞬心配した。「ミナァーーックス!」


彼が近づいてきた。それは彼女の唇に悪魔のようなほくそ笑みをもたらすことになった。強烈なエナジーボルトが打ち込まれてドアは蝶番から引き剥がされ勢いよく開いた。彼女は降伏を示すように両手を上げながら微笑んだ。「ブラボー、大評議員...貴殿は私を見つけた。」

「ミナックス、今回のことに終止符を打つときがきた...一度、すべての者にわしが現存する最強の魔術師であることを示すこととしよう!」

「おぉ、何ですって?よろしい。私はお前がこれから何をするつもりなのかわかっているつもりだ。お前のために全ての力仕事をやったのがお前の王であったとしても、結局のところお前が私を捕まえた。王の駒の1つが王の指示に従ってやってきて私を捕まえたことに彼らは幸せを感じていることだろう。王の計画やリソースを使っていないことは疑いようもないが...」

ミナックスが話しているうちにアノンはいつの間にか両手を下ろしていたが、まだ魔法のエネルギーがパチパチしていた。「何をくだらないことを長々と言っている?!ここにいるのはわしだ。ブラックソンじゃない!デュプレでもない!」

ミナックスはなだめるような身ぶりで両手を広げた。「おぉ、そのとおりだ。しかし、もちろん...私の手下どもはほとんどの議員と証人を排除してしまった。そして、裁判のために私を連れて行った時、自らの手で一人で私を王に引き渡さなければならない。お前のメイジ評議会の力をもってしても、王の兵馬全てを無視することはできないだろう。事を終わらせたのはお前であるとお前自身は知っているが、他のみんなはブラックソン王を魔女の脅威を終わらせた者の一人として見るであろう。」

アノンは怒りで震え、両手から突然ファイアボールが放たれミナックスのほうへ飛んできた...それはまさにミナックスの顔を熱いものがかすめ彼女の肩越しに飛んでいった。「だまれ!お前の戯言に付き合う気なぞない!」

ミナックスはいまは口元に笑みを浮かべていた。彼女はシャンティが魔力を帯びて輝いているカットラスを手にして部屋の中に滑り込んできたのに気づいたが、彼のほうに頭を僅かに頷かせただけだった。「私が戯言を言っているという理由はなんだい?少し考えてみな、大評議員。お前は他のヤツらより賢いはずだ。しかし、人々は誰を信じるだろうか?ガーゴイルとその都市を救った王、かたや王国の仕事を放棄しデュプレの嘲笑の対象となっている魔術師のどっちを信じると思うのか?」

アノンの言葉にならない叫びと特に焦点を合わせることもなく彼から少し離れた全てのものに放たれた魔法のエネルギーの爆発で部屋全体が揺れた。ミナックスはすぐに言葉を続けた。「事を終わらせたのがアノンお前だとする必要はないのだ!誰もが愚か者ではない。誰もがそう思うわけではない...誰もが助けに出ているわけではない。お前は自分自身のためによりベターなことが出来るはずだ、大評議員よ。」

ミナックスはその後、黙った。彼女の目は一瞬シャンティへ目配せした...アノンは気まぐれで彼女が何を言おうと戦いはうまい具合に終るだろうとわかっていた。大評議員アノンは左の拳を握り締めた。その拳は裂傷をおっているようにみえた。ミナックスの声で再び緊張した空気が破られた。「アノンよ。私はお前のパワーを認めたからベスパーでお前から走り去ったのだ。私はお前が何ができるかを知ってそれに敬意を払っている...お前を尊敬すらする。そして、我々は他のヤツらにも同様にそれを強いることができる。以前、ヤツらはお前の要求に答えなかっただろう...それなのに何故わざわざ手助けを続けているのか?」

アノンは目をミナックスの上から下まで走らせて最終的には両手の緊張を解いて、ミナックスの隣に突然出現することだけはできるように両手を降ろしてきた。「ただ、知っておくがいい、ミナックスよ。これがもしお前のトリックだとしても、わしはお前を取り巻く世界を砕け散らせるだろう。わしは他の人々が死んだ時に生き残った一人なのだ。それが手伝った理由だ。」一瞬後、アノンは部屋から消えた。そして、ミナックスはシャンティのほうを見た...そして、彼ら二人は互いに歯を見せて笑った。

「私の敵の中の敵...」


(以下、原文)

やむを得ぬ連携

やむを得ぬ連携
投稿日:2013年11月23日

「そんなことが上手くいくと本気で思っているのかね?」と、アノン(Anon)はブラックソン王(King Blackthorn)の提案を鼻で笑った。

「そうか、あなたの能力では無理だと言うのなら、あなたの評判も『二番目に強い魔法使い』のままだろうな」

テーブルをぴしゃりと平手で叩いたアノンを座ったままデュプレ(Dupre)が睨みつけた。「どうもオレには判らんな……単にその発生源とやらをぶっつぶせばいいんじゃないのか?」

「それではどうしても多くの犠牲が出てしまうのだ。アノンと私が下した結論はこうだ。盗み出した不死の宝珠のかけらを使い、ミナックス(Minax)はエセリアル虚空間に別の世界へ通じる裂け目、すなわち盗賊やならず者に征服されたソーサリアとの通路を開いたのだ。この結合部を破壊してしまうと、片方もしくは双方の世界をも破壊しかねない。そこで代わりの計画をアノンが考えだしたのだ。これはかつてニスタル(Nystul)が行ったものと幾分似通っているのだが…」

「全然違うわッ!世界全体の法則やわしらの力の源を狂わしたりはせんッ!」

王が片手をあげたので、アノンはしぶしぶおとなしくなった。「よろしい。とにかく、その呪文を唱えようにも、おそらく邪魔が入るだろう……やっかいなことにミナックスとその…シャンティ(Shanty)とやらが待ち構えているだろうからな。その呪文を使えるのはアノンだけであり、私は彼のサポートを務めねばならない」

「だがシャンティの魔法の剣は強力だ……もはや現存しないと思っていた古の武器の一つだぞ、あれは。オレはあれに太刀打ちできる物を持ってない」

王が呼び鈴のヒモを引くと、布にくるまれた物を持ったヘクルス(Heckles)が入室してきた。「サー・デュプレ。探すのに少し手間取ったが、私のコレクションにあったこの品なら、あの男に対抗する上で役に立つかもしれない」

歩み寄りながらヘクルスは布を外し、中から剣を取り出してデュプレ卿に手渡した。デュプレが剣を鞘から引き抜くと、キラキラとかすかな光を放つ黒いロングソードが現れた。根本から先端まで魔法のルーン文字が刻まれている。バランスは申し分なく、重さも完璧だった。軽く素振りをしてみると、シャンティのシャークバイトと同じように魔法の光の粒が剣の軌跡を描いた。巧みな手つきでスッと剣を鞘に納め、デュプレは王に向かって小さく頷いた。

「では行動に移るとしよう。王国のために……そして、ミナックスを倒すために」

ある種の秘薬らしき物をブラックソン王の保管庫から20個ほど持ち出したアノンは準備を終えていた。デュプレは重い盾に持ち替え、彼を救ったあの従者に命じて自分のではなくブラックソンの紋章をその盾に描かせた。壊れてしまった肩甲も交換したので、使い込まれた他の部分に比べて肩だけがキラキラと輝いていた。アノンはいつものようにラマ毛織りの衣類に身を包んでいたが、王から与えられた帽子もかぶっており、その帽子にもブラックソンの紋章が飾られていた。王がゲートを開き、一行は青く輝く入口の中へ一人ずつ足を踏み入れていった。

眼前の光景は混乱に満ちていた。ガード、冒険者、探検家、義勇兵たちが群れをなして通りを駆け抜け、襲撃者やその手下のモンスターを相手に戦いを繰り広げていた。島々の至る所で戦闘が勃発し、ベスパーの通りは血の染みで汚され、橋という橋は激しい戦闘の衝撃になんとか耐えていた。アノンはすぐさま詠唱をはじめ、閃光と共に場所から場所へとテレポートしていった。

その後ろ姿にデュプレが叫んだ。「アノン、あのバカ野郎!単独行動しやがって!急ごう!」デュプレは背後をちらりと見て王がついてきていることを確認し、二人は壊れかけた木の橋を駆け抜けて魔法使いを追った。一匹のサテュロス(Satyr)が出現したが、デュプレは黒い刃を引き抜いて斜めに切りつけ、やすやすと二つに叩き斬った。続いて向かってきたドライアド(Dryad)とクーシー(Cu sidhe)も瞬く間に討ち取られ、灯台を目指して駆け抜ける彼らの航跡を描くかのように、バラバラになったモンスターの体が道に残されていた。

アノンは既に付近の生物のほとんどを始末しており、準備にとりかかっていた。デュプレはヘルメットの下で毒づいた……このスタンドプレイヤーめ……。王がアノンに近寄って二人が話始めたので、デュプレは彼らに叫んだ。「オレはこの辺りを片付けてくる。それと、手伝ってくれる義勇兵がいたら橋の封鎖を頼んでくるよ」

アノンはあっちへ行けというように手を振って答えた。「好きにしろ!わしの邪魔だけはするなよ、うすのろが!」

立ち去るデュプレに軽く頷いてから、王はアノンの方に向き直った。「それで、必ず消せるのだな?これらの裂け目を」

「もちろんだ。もしこれがダメでも、その時は別の手がある」

「おや、かわいいこと!きっと新しい宮廷道化師ね!王様はヘクルスのバカっぷりじゃ物足りなくてアノンに代えたってわけ?」と、あざけるような声が屋根の上から聞こえたと同時に、空間に裂け目が出現しておびただしい数のライトニングボルトが放たれ、アノンが慎重に配置していた秘薬の一部を破壊した。「あら、ごめんなさい……それって大切な物だったかしら、魔法使いのボウヤ?ニスタル(Nystul)ならそんな物は要らなかったと思うけど……」

「うるさいッ!わしは、あんな奴よりずっと、ずーっと偉大なのだッ!奴はわしを、わしを妬んでいたんだッ!」怒りに燃えて喚き返し、アノンは詠唱を始めた。

「いけない、評議員。乗せられるな……」王はすぐさまアノンを引き留めようとしたが、魔法使いは聞く耳を持たなかった。

「あの女、絶対に殺してやるぞッ!」そう言うなりアノンの姿は消え、直後にミナックスのすぐ隣に現れた。彼の体の周囲で怒れる魔法の炎の柱が吹き上がり、屋根全体を焼き尽くした。……が、一足早くミナックスは飛び降りており、ムチを閃かせてアノンの足首をからめとると下から彼の足を強く引いた。怒号をあげたアノンはエクスプロージョンを唱えて彼女に打ち出したが、ミナックスはウォールオブストーンを唱えて巨大な石壁を出現させて防いだ。

ブラックソン王は取り組んでいた作業の方に向き直り、台無しにされた秘薬の方を見やった……予定していた計画はもはや達成不能だ、特にアノンがあの状態になってしまった状況では。一瞬だけ二人に目をやり、再び作業に戻ったブラックソンは自分自身で詠唱を始めた。アノンと魔女はまだ戦っていたが、どちらも圧倒的優位には立てずにいた……戦いながらミナックスが後退し、ある地点に誘導するまでは。アノンの位置からは見えない存在に気付いたブラックソンは大声で危険を知らせたが、その叫び声は憤怒に燃える魔術師に無視された。

悪意に満ちた笑いを浮かべ、身をひそめていた場所から立ち上がったシャンティはカットラスを振り上げた。驚愕の悲鳴をあげたアノンはパニックに陥りながらもテレポートを唱えて見事に逃げおおせた……ように見えたが、数歩分後ろの地点に再出現したアノンのローブには血の染みが広がり始めた。湿った咳をしながら回復呪文を唱えようとするアノンに向かってシャンティはゆっくり歩みよる……。その時、シャンティが現れた路地から走り出てきたデュプレがこの海賊に飛び掛かり、地面に押し倒した。

ミナックスは苛立ちで呼吸を荒げ、騎士の方向に向かって魔法を放ったが、単に二人の間に石壁を出現させてシャンティを守っただけだった。シャンティは起き上がると、笑いながら振り向いた。「また鎧を切り落としてほしいのかよ、あぁん?その願い、このシャンティ様がかなえてやろうじゃねぇか!」デュプレのロングソードがシャークバイトとぶつかり合い、魔力の刃で覇権を握ろうと二人は激しく打ち合い始めた。

戦いが熾烈に続くなか、ブラックソンは全力で呪文の詠唱に集中していた。アノンを呼び戻すこともなく、デュプレの助けをかりることもできなかった。体の中をマナが流れるのを感じ、アノンが生み出した呪文を唱えようとした……が、発動には至らなかった。無理なのだ、あの秘薬なしでは。危険を知らせる声が聞こえた。橋を突破した襲撃者がミナックスに加勢しようとしているのだ……もはや悩んでいる余裕はない。

エクソダスに対抗するときにも用いた専門的知識を活用し、さらにポケットに入れて持参していたクリスタルに触れることによって、彼は体内でマナを力強く湧きたたせた。まるで百万回も唱えてきた言葉であるかのように、力の言葉がすらすらと口から流れ出てくる。彼のそばに一つの光の球が現れて広がり始め、ゆっくりと彼を包み込み……そして王は、消えた。

広がる光が触れても建物は残っていた……だがアノンとデュプレに光が触れたとき、彼らも同様に姿を消した。襲撃者やその手下どもも同様であった。しばらくののち、その場に残されたのは空っぽのベスパーと探検家、冒険者、シャンティと魔女だけだった。多勢に無勢の状況に、二人が選んだ道は魔法による退却だった。



「なんということをしてくれたのだ!」それの広がりを感じるなりアノンはそう叫び、その声は洞窟状のエリア内で反響した。

「私は自分にできることをしたのだ……あなたが自分の役割を放棄してしまったから」と王は静かに言い、このまま口論にならないことを願いつつ、苛立つ魔法使いを見やった。

「これでは話が違うぞ、ブラックソン!」

「アノン、あなたに約束した対価を払う意志は変わっていない……だが、これしか残された道はなかったのだ」

「そんなことはない!奴らを二人とも倒せたはず……」突然言葉を切ったアノンは、胸を押さえて膝をついた。傷のために彼は胸を貫くような痛みに襲われていた。アノンはそれでも異議を唱えることをやめなかったが、王は手を差し伸べて彼を立ち上がらせた。

アノンの傷をさっと見て致命傷ではないと判断し、デュプレは戦いの終わりを告げるかの如く黒いロングソードを鞘に納めた。魔法使いたちが歩き去っていく間、デュプレはこの広大な空間を覗いていた……あの二人の議論は重要ではない、少なくとも彼にとっては。前方には彼がよく知る街々の小さな一角があるように見えた。デュプレは踵を返し、二人の魔法使いを追ってブラックソンのダンジョンから出ると、保管室を後にした。


(以下、原文)

騎士と魔女

騎士と魔女
投稿日:2013年11月20日
By: EM Drosselmeyer

男が振るう刃が反逆の剣士のそれとぶつかり合う。一撃与えるたびに相手は一歩また一歩と退くことを余儀なくされ、男の前進は決して止まることはなかった。デュプレの一撃。剣士は盾で食い止めた。その顔面に強烈に叩き込まれるデュプレの盾。衝撃で相手の鼻が砕けた感触が伝わってきた。だからヘルメットは必要なのさ、若造……剣をひいて戦いをやめ、相手の足を踏みつけてから逃走を許してやったデュプレは、胸のうちでそう思った。突然、背後から強い力で突き飛ばされてデュプレは倒れ込み、埃まみれの砂岩の床に真っ赤な染みを作った。灯台めがけて投げられた爆発薬の爆音が聞こえたが、息を切らして従者が駆け寄って来た時に彼に聞こえていたのは部下の騎士たちの叫び声だった。

「デュプレ卿、来てください!大変なことに!」

即座にデュプレは若い従者の後に続いて全速力で走りだした。目指す場所はすぐに見えてきた。前方の通りには数体の遺体が横たわり、一人のみすぼらしい風体の海賊が同時にデュプレの騎士三人を相手にやりあっていた。その群を抜いた戦いぶりは本来なら注目に値するものではあったが、この戦場でデュプレの目が追っていたのはたった一人の人物だった。別の二人の騎士は負傷し、鎧の下から血を滴らせながらよろめく足取りで後ずさりし、少し息を整えようとした……いや、ことによると退却を試みていたのかもしれない。残る最後の一人は、クロークをまとった女の背後めがけて紫のビンを投じた……が、くるりと振り返った女はムチをうならせてビンをからめとると、鋭い一振りで騎士に投げ返した。ビンの直撃を受けた男はよろめいた。暗い色の髪をした女は高笑いし、傍らの従者が何か言っていたが、デュプレ卿の耳にはそれらは全て真っ白なノイズとしてしか届かなかった。デュプレはスタッドレザーアーマーとクロークをまとった女に突進していった。

「覚悟しやがれ、この魔女め!」

デュプレは剣をもたげて走りこんだ。ミナックスが放った魔法エネルギーを防ぐため、盾を突き出す。これまでにない大きな衝撃を受けながらも中に食い込み、ほとんどスピードを緩めることなく女の首めがけて剣を振るった。敏捷な魔女は飛びのくと、巧みに身を前後に踊らせてこの高名な騎士から繰り出される数々の攻撃をかわしつつ、彼の目の部分を狙って執拗にムチをふるってきた。そんな小さな標的に当てることは至難の業だとは分かっていても、反射的に目はまばたき、視線がそれてしまうので、女は十分距離を保つことに成功していた。まるで踊るような所作で女は後退したが、デュプレの猛攻は彼女に呪文の詠唱を許さなかった。デュプレの背後から叫び声がしたかと思うと、ミナックスは悪意に彩られた笑みを突然顔に浮かべ、唇をひらくと柔らかく嘲る声音で言った。「悪いけど、これでお前は終わり。デュプレ」

女がその言葉を言い始めるやいなや、デュプレは盾を構えて横に飛びのき、例の海賊からの襲撃に備えた。海賊は歯のかけた口で大きくニタニタと笑っている。この男がカットラスを左に薙ぎ払うと、細かい光の粒がうっすらとその軌跡を描いた。デュプレが本能的に盾の向きを変えた瞬間、傷だらけの盾の角部分をスッパリと叩き斬るカットラス。魔法で研ぎ澄まされた剣だ……恐ろしいほどまでに。ミナックスが彼に背を向ける様子を視界の片隅で捉え、その横柄なそぶりに注意を払いたかったのだが、激しい海賊の攻撃がそれを許さなかった。

デュプレ卿は次の一撃を受け流し、さらに続く一撃をブロックした。しかしその度に盾の一部は切り裂かれ、剣に鋭い傷が刻み込まれた。男はバーサーカーの如く猛攻撃し、デュプレを防戦一方に追いやろうとしていたが、とうとう足を踏みそこなった。一気に間合いを詰めるデュプレ。ブロードソードと盾がカットラスと激しくぶつかり合い、二人は互いを力で圧倒しようと激しい鍔迫り合いを演じた。

「へっ!あの名高きデュプレ卿ってのがオメーか。このシャンティ様が相手になってやらぁ。オメーの部下ども、結構いいウデしてたぜ……このシャンティ様のシャークバイトには勝てなかったがな。オメーも同じ道を歩むんだな!」

ラム酒と腐臭の臭いが混じる息を吐きちらして海賊は騎士の眼前で高笑いし、デュプレは一層力をこめて相手を押し戻し始めた。男の力は下がってきており、勝機を見いだせそうだった……武器を叩き落とせば革の軽装備を着けているヤツに勝ち目はない。だが、渾身の一撃を与えようとした瞬間、ピシリという音が空気を切り裂き、彼のプレートネックに巻きついたミナックスのムチに強い力で引っ張られた。ぐいぐいとムチを引き始めるミナックス。

「シャンティ、こんな男、朝飯前と言っていたのはお前よ……」 彼女の声はいらだちに満ちていたが、僅かに楽しんでいるような響きも含まれていた。

魔女の助太刀を得たシャンティは自分のとれる選択肢を考え、ヘルメットの下でぎりぎりと歯ぎしりをした……ろくな選択肢がなかったが、もし彼女が飽きてしまえば、いつであろうと彼女は魔法の力を加えてくることもあるだろう。最後に盾で突きのけ、デュプレはシャンティを乱暴に後方に押し飛ばして剣を振りかぶり、同時にシャンティは自分の剣を持ち上げて防御した……だがデュプレの一撃は、彼を狙ってはいなかった。デュプレの剣は一撃でムチを縦二つに切り裂き、盾はミナックスのもう一方の手から流れるエナジーボルトを防ぐために持ち上げられたが、凄まじいボルトに彼は一歩下がって踏みとどまった。視界の隅で動くものをとらえ、シャンティの方に向き直ろうとしたが、デュプレは既に手遅れであることを悟っていた。

彼の剣が海賊の剣とぶつかりあったとき、シャークバイトがデュプレの剣を貫き、剣の先端三分の一が折れた。きらめくカットラスはさらに突き進み、彼のアーマーをかすめてから継ぎ目部分を大きくはぎ取った……そしてデュプレの肩は……無防備になった。痛みと衝撃で片膝をついたところにシャンティが再び切りつけてきたが、デュプレは盾を上げてかろうじて防いだ。両手で盾を持ってぶつかり合っていると、シャークバイトが少しずつ盾に食い込み、デュプレの腕へ迫ってきた。そして耳に魔女の詠唱が聞こえてきた。もはやこれまでか……。

突然の爆発とともに魔女はののしり声をあげ、さらにもう一つ爆発が起こった。彼と海賊のすぐ隣に巨大なライトニングボルトが落ちてきたので、デュプレの視界は真っ白になり、そのために男の攻撃は一瞬弱まったが、それだけあれば立ち上がって片方に飛びのくのに十分だった。彼が立ち上がると、シャンティは突然駆け出し……まっすぐにミナックスの方に向かうと彼女をつかみ、ミナックスが呪文を唱えると、二人の姿はたちまち消えた。

ビンを魔女に投げつけた人物が駆け寄ってきたのでデュプレ卿が目をやると、それは最初に彼を呼びに来た従者だった……どうやら応援を呼びに戻っていたらしい。デュプレが自分の折れたブロードソードと完全にダメになった盾をちらりと見下ろすと、従者が話し始めた「お怪我なさったのですね!ヒーラーにお連れします!」

デュプレ卿はヘルメットの内側で微笑んだ。彼の部下の鎧に身を包んだ二人の騎士が、もっとずっと小さな傷を受けて撤退したのを彼は見ていたのだ。そしてこの防具もない従者は戻って来た上に、あの魔女に攻撃を仕掛けたのである。その時だった、従者が連れてきた人物を彼が見たのは。そしてヘルメットの下の笑みはたちまち消え失せた。高慢そうな雰囲気を漂わせて路上に立つ男は、ラマ毛織りのローブとクロークに身を包み、デュプレの態度がこわばったのを見てくすくすと笑っていた。

「これで名誉の貸し一つだな、ツヤツヤ君。それとも剣が半分になってた方が良かったかね?お主はこういう物の使い方は知っておると思ってたのだがな」アノンの人を馬鹿にしたような口調にデュプレは腹を立て、訂正を求めて詰め寄りたい気分になったが、そうはせずに折れた剣を握る手に力をこめ、さやに収めた。

「アノン、ここで何をしている?お前にかまっている暇はないんだ……負傷した騎士たちを助けなくては。人の不幸を見て喜びたいなら、ライキュームで取り巻き達とやってくれ。お前がマンドレークをかじろうが踊りはねようがチヤホヤして…」二人のガードを従えた男が近づいてきたのでデュプレの言葉はここで途切れ、アノンのニンマリとした笑いはさらに大きくなった。

「おやおや、これは失礼をした、ツヤツヤ君。わしがどなたに随伴しているのかをつい言い忘れておったようだ。お主も知っておろう、この国の高位なる王にして輝かしき偉大なるロード・ブラックソン、チェスの達人にして……」

「大評議員……そこまでで結構」王はやや固い声でいい、手を振ってアノンを下がらせた。「サー・デュプレ、話をしたい……あなたの手当が済んだ後で」

デュプレは首肯したが、アノンが王の傍にいるのは気に食わなかった。 「で、彼は?」

ブラックソン王は、くすくす笑う魔術師を睨むデュプレの視線を束の間追ってから言った。「私に同行してもらっている。この国のために必要なのだ。大評議員の……そしてあなたの能力と貢献が」

デュプレは一瞬この要請について検討し、それから息を吐いた。盾は見捨てることにした。前面の紋章はほぼ真っ二つになり、残骸でしかない。「それじゃケグ&アンカーで会おう。一時間以内に行く」

「万年酔っ払いめ、よかろう!カワイイお嬢ちゃんも用意してやろうか?言い寄ったり愚痴ったりできるかもしれんぞ」従者と共にヒーラーに向かうデュプレの背中に、からかうようなアノンの言葉が投げかけられた。

「だったら、こっちはお返しにハンサムなモンバットを探してやるよ」大評議員のくすくす笑いが背後から聞こえてきたが、デュプレはそれを無視し、従者と共に歩み去った。


(以下、原文)

変人魔術師はモンバットがお好き

変人魔術師はモンバットがお好き
投稿日:2013年11月13日
Written by EM Drosselmeyer

かつてこの街は今よりも良い場所だった。街はもっと賑やかで、多忙な生活と、マスターやグランドマスターに混じって学び働く魔法使い達であふれかえっていたものだ。しかし、それはもう何年も前のこと、と彼は一人回想した。……血気盛んな者がこの地に残ってはいるが、既に多くの者がより穏やかな領海へ移り住んでいた。ロイヤルガードは今回の訪問に猛反対したが、警護を二人つけることを彼が了承したので最終的にはしぶしぶ折れた。このとき、彼は自分の理解通りにこうも言った。もし目的の人物が見つかり、彼らが頑なな態度を取るのであれば、たとえ一個連隊を引き連れていったところで十分ではあるまい、と。

飾り細工の施された鉄の門は今も立っていた。サビの痕跡は認められるものの、他の大きな街々に比べて酷く劣るほどでもない。門をくぐり、さらに多くの前兆……通りに散乱する死体を目にして彼は首を振った。ほとんどは冷酷でおぞましくダンジョンに巣くうべき物の死体だ。歴史に包まれた街の通りにあるべき存在ではない。ライトニングの炸裂音と弓のうなりはあらゆる方向から聞こえてきたが、続けざまに轟く雷鳴と同時に空が割れるように光り、彼は目指すべき方向を悟った。

一行が進む中、顎を朱に染めた一匹のドラゴンが建物の裏から起き上がり、三人に向かって唸りだしたことにガードの一人が気づき、たちまち火蓋が切られた。メイスとウォーアックスが絶息の調べを奏で、獣を相手に戦士たちが舞踊る。魔法を放つ男の手。ファイアボールと純然たるエナジーボルトが撃ち込まれ、続いてガードの一人がウォーアックスを深々と食い込ませた。絶命した獣から引き抜いたウォーアックスで血振るいをした後、一行の歩みは再開された。「急ぐぞ。あの男も鈍重ではあるまい」

「はい、陛下」二人は声を揃えて答え、歩みを速めた王に合わせて足を速めた。角を曲がると、一人の男に率いられた魔法使いたちの列に遭遇した。屋根の斜面に立って大声で命じているその男は、ラマ毛織りのローブとクロークをまとっている。部下の魔法使いたちが一糸乱れず動くと同時に男が天を震わす詠唱を行うと、家一軒ほどの幅のある稲光に直撃された灯台はその力に屈して爆発、四散した。見つけた、この男だ。

魔法使いの一人に呼ばれ、屋根の上で大きく足を広げて立っていた男は探るような表情で振り向き、王を目にするとゆがんだ笑いを顔に浮かべた。男は大げさな身振りで壊れた敷石と街の建物の壊れた壁を示すと、大きくニヤリと笑いながら言った。「これはこれは。皆の者、正統なる統治者にして王であらせられる、尊く輝かしきロード・ブラックソン(Lord Blackthorn)をお迎えしようではないか!どうやらわしらとの会合が適切とお認めになったようだが、あいにく宴の準備はしておらん!皆よ、さてどうしたものかな?」

この慇懃無礼な言葉に騎士たちは気色ばんだが、王に手振りで制された。「このような訪問であれば、宴は私の方で用意したかったものだ。大評議員」

「おお、なんと寛大なお言葉!だが、食べ物を求める魔法使いなどおりますまい。求むるは秘薬のみ!」と言って男が呪文を唱え、王からたった数フィートの位置にテレポートで降りてくると、人々の間からクスクスと笑いがこぼれた。「もちろん、ご自身も以前は魔法使いでしたな?ゲートの惨状の件を聞くに、恐らく今も……」魔術師は身体を前後に揺らし、この支配者をじっくりと観察してから再び口を開いた。「さて、一体何がブリタニアの王をフェルッカのムーングロウにまで赴かせたのですかな?」

「アノン大評議員(Grand Councilor Anon)、あなたを探して来たのだ。お願いしたいことがある」

アノンは疑いに満ちた目で見やった。「お願い?なぜわしが手を貸すというのだ、ブラックソン?お主はわしの側につかず、ニスタル(Nystul)の愚行を止めなかったではないか」アノンの一語一語は不信と偏執に彩られ、興奮が彼の手をぶるぶると震わせた。

ブラックソン王は彼の言葉を認めるように頷き、もう一度頷いてから、努めてアノンと目を合わせた。「その通りだ、大評議員……それに、もしあの時に戻れたとして、私が違う判断を下すかどうかも判らない。そんな機会はあるはずもないが、我々が今手を取り合うことはできるはずだ。ニスタルが去り、クレイニン(Clainin)が亡くなった今であれば……」

「痴れ者とその飼い犬か……」

ブラックソン王はその言葉は無視して続けた。「我が国最高の魔術師は誰か、その答えは明らかだ」

その言葉に満足したのか、アノンはやや得意げな面持ちで口を開こうとしたが、王は続けた。

「いや、この侵攻を起こした者さえいなければ明らかだった、と言うべきか。現状ではその犯人こそが最強の魔術師だと皆は思っているだろうからな」

口に出そうとしていた言葉を飲み込み、アノンは怒りで顔を真っ赤に染めた。「わしはミナックス(Minax)が思うよりずっと偉大だ!この何年もの間、わしとわしのメイジ評議会がミナックス軍を撃退してきたんだぞ!デュプレ(Dupre)なんぞが馬上槍試合よろしく馬で駆けまわっている間にな!」

デュプレ卿への侮辱的発言ではあったが、王は頷いた……アノンが明かした驚くべき情報の方がずっと興味深かったのだ。ミナックスかもしれないと思ってはいたが、ブラックソンも知らない情報をアノンは持っているとみえる。「ええ、大評議員。あの女に思い知らせたいものだ。この世界にあの女を越える者がいることを……むろん、あなたのことだ。しかし、それにはあなたのご協力が必要だ。それから、そちらに無いあるモノを私が提供することもできると思う」

アノンはブラックソンの顔をじっくりと眺め、何かを探っているようだったが、それが何なのかはブラックソンもハッキリとは判らなかった。力が強大になった魔法使いの多くは風変わりになると言うが、アノンはずっと昔からいつも風変わりな人物だった……。モンバットのことは脇へ置いておくとしても、彼がどれほど変わったのか判る者などいないだろう。

最終的に彼は頷き、部下の方に向き直った。「皆の者、わしはヒナギクと熊のぬいぐるみの地を歩かねばならんことになりそうだ。お主等は土産でも待っておれ。それから、そうだな……コヴィス(Kovis)!コヴィス、クノッビー(Knobby)とフラッピー(Flappy)の世話はお主に任せる。ちゃんと面倒を見るようにな」そして王に向き直り、得意げにわざとらしい会釈をして見せた。「さあ、栄光ある我が王、ブラックソン陛下。陛下にお仕えすることをお許しください……もちろん、報酬の取り決めは後ほど」

慇懃無礼な評議員の態度に対し、王は笑みで応じた。重要なのは自尊心にこだわることではなく、彼の力を得ることだと判っていたからだ。「では来てくれ、大評議員。計画を練ろう。オクローがいいだろうな」彼が言い終えるより早く、アノンはその街へのゲートを開く呪文を唱えていた。「忘れぬうちに聞いておきたいのだが……クノッビーとフラッピーとは?」彼は眉を興味深そうに動かし、魔術師を見つめた。

アノンはギラギラと鋭く睨み返して答えた。「わしのかわいいモンバットたちだ。あの子等のことは二度と口にするな」

ブラックソン王はただ頷いたが、内心こう思わずにはいられなかった。まったく、とんだ変わり者だ……。

(以下、原文)

ミナックスの企み

ミナックスの企み
10/30/2013
著者:EM Drosselmeyer

女は膨大な魔力をクリスタルに注ぎ込んだ。クリスタルはパチパチと音を発し、その力は女の周囲の地面を揺り動かしはじめた……が、すぐにそれは止み、結局何も起こらなかった。そんなことは女も想定済みだった……単にこのクリスタルがあるだけでは駄目なのだ。何かで焦点を生み出さなければ。そのためには、もっと強力な何かが必要……と、そこまで考えた時、ふいに最高の場所に思い至った。好都合なことに、あの場所なら滅多に人が来ることもない。邪悪な笑みを浮かべながら、女はシャンティ(Shanty)に手招きした。「ついておいで、シャンティ。もし邪魔者がいたら、お前のやり方で解らせておやり」

ややがっしりした体格の男は、喉の奥からクックッと腹黒い笑い声をたてながら、魔法のかかったきらめく大きなカットラスを引き抜いた。「お任せを、ご主人様。ご命令とあらば喜んで。このシャークバイトで楽しめるならなおさらのこと」と、肩に添えた刃を軽く叩き、愛おしげに男は言った。女が手を一振りして力の言葉を唱えると赤いムーンゲートが開き、二人はそれをくぐって目的地に向かった。



「悪ィことしたな、バードさんよ。今日は展望客にゃ厄日なんだ」シャークバイトをオイルクロスで拭い、バードの返り血を浴びたままのシャンティはそう呟くと、クリスタルを慎重にセットしている女のところへ戻っていった。「そいつは一体何なので?いや、オレが知る必要はねぇんでしょうが、手伝いが要るなら……」女が立ち上がったので、シャンティはそこで言葉を止めた。

「いい心がけね、シャンティ。でも、お前に魔法は期待できないわ……」

「確かにその通りで。ご主人様」男はカットラスを鞘に戻さず刃を点検したが、そんな必要があるはずもなかった。ギザギザの刃は魔法によって永遠の鋭さが保たれている。「では、オレがお役に立てる方面はお任せを」男は重々しい足取りで階段に向かい、少し汚れたオレンジを取り出して血塗れの指で無造作に皮を剥くと、一口かじった。「御用があればお呼びください、ご主人様」

シャンティの滑稽な仕草にニヤリと笑い、女は向き直って自分が置いた物を満足げに眺めた。例の宝石は、最も強力な焦点生成空間となりえる場所に置かれている……そういった焦点生成や反射の目的でこの場所は使われてこなかったことだろうが。強力な呪文に包まれ、宝石は女が配置した何枚かの鏡に囲われた中央に鎮座していた。「さぁ、始めましょう……」と静かに言うと、女は力の言葉を唱え始めた。それはニスタル(Nystal)の姿が消えて以来、誰も耳にすることのなかった呪文だった。魔法の力に部屋は振動を始め、巨大な力が建物を揺らし、まるで建物全体がバラバラに引き裂かれるかのような凄まじい破壊音が鳴り響いた。

その音にシャンティが振り向くと、灯台の窓から凄まじい力の光が燃え上がっているのが見えた。魔法エネルギーの音以外に聞こえるのは女の詠唱だけであり、やがてそれは成功の喜びにあふれる高笑いに変わっていった。エネルギーの嵐の咆哮は、一瞬彼女の声をも圧倒するほど激しさを増したが、突如として静寂が全てを包み、光は消えた。

女は用心深い足取りで出て来ると、手にしていたクリスタルをポーチにしまった。「これでよし……面白くなったわ。他にもイタズラしてしまおうかしら、ねぇシャンティ?」

「はい、ご主人様。報酬も申し分ねぇですし、しかも久しぶりに心底楽しめました。どうぞご指示を」

女は笑みを浮かべて再び力の言葉を唱え、新たなムーンゲートを開いた。「ところでシャンティ、私のことは名前でお呼び。そろそろ身を潜めるのも飽きたから」

「へい、ご主人さ……、じゃねぇ、ミナックス様(Lady Minax)」

そして二人はゲートの中に消えた。位置を変えられた鏡と波間に漂う死体だけが、大灯台を二人が訪れた証としてその場に残されていた。


(以下、原文)

現われた女

現れた女
10/22/2013

がさつな足取りでデンの街中を歩く間、彼の顔を覆うスカーフは、海からのそよ風に吹かれて微かにはためいていた。 こんな稼業についてはいるが、彼はデンを好きになったことは一度もない。ここには、自分の手に負える相手ではないことにも気づけずに誰かにダガーを突きつけたがる連中もいるのだ。あしらうことは容易いが、彼はそんな気分ではなかった。そのオーラが彼の所作から放たれていたのか、酒場に着いて乱暴にドアを押しあけるまで、邪魔者は一人も現れなかった。全員の目がドアに向けられ、酒場の喧騒は突然静まりかえったが、それも一瞬のことで、すぐに全員が元の方向に目を戻した……たった一人、薄汚れた歯を見せて彼にニヤリと笑いかけた男を除いて。

「おう、来たか。待ってたぜ」そう言うと、男は傷だらけの古いテーブルに薄汚れたゴールドのコインを乱暴に置き、持っていた汚いトランプも伏せて置いた。「ついてこい。話はそこでする」そう言って男は肉付きの良い手を相手の肩に乗せながら裏の小部屋に連れて行き、彼の背後でドアを閉めた。部屋の中に入った男はスカーフを外してバッグを下ろしたが、バッグは置かれたはずみにカチャッと音を立てた。「リッキー、面倒な事にはならなかったろうな?」と、テーブルの反対側に腰をおろしながらシャンティ(Shanty)は言った。彼の息はエールの匂いと腐敗臭が混じり合っており、リカルド(Ricardo)は鼻にシワを寄せながら冷笑を浮かべた。

「たいした面倒はなかったが、聞きたいことがある。満足な答えが聞けりゃ、ボーナスはチャラにしてやる。だがロクな答えじゃなければ、このまま帰らせてもらうぜ」

テーブルの反対側に座る男は心底おかしそうにばか笑いし、彼の顔はたちまち赤みを増した。「報酬の半分は前払い済みなんだ。そのバッグと一緒にここから帰すわけには行かねえな。だが、話してみろよ、この老いぼれシャンティさんを楽しませてくれや」

「侵入にはたいして苦労しなかったさ……計画手順が問題じゃねぇんだ」老いた男を睨みつけ、男はするどい眼をさらに細めた。「俺ァな、隠し事されんのが大っキライなんだよ。この仕事、一体どういうことだ?」バッグを開いて一振りの剣を取り出すと、男はそれをいきなりテーブルの上に放り投げた。「俺が何を聞きたいか、これで判るよな?」

テーブルの上の剣は見事な品だった。ミノック職人の手により打ち出されたヴァロライトの鋭い刃……そして柄に近い剣の根元付近には紋章が彫り込まれていた。八本の光と闇の線が交差する正方形を背景に、一匹のシルバーサーペントが十字架のようなものにからみついたデザインだ。ブリタニアでは誰もが知るシンボル……それこそが彼らの会話の主題なのである。剣をざっと見たシャンティは、さらに大きなニヤニヤ笑いを顔に浮かべた。「コイツを持ってるんなら、答えはもう判ってるんだろうが。オメーだって、これがどっかの貴族サマの館レベルのヤマだと思って受けたワケじゃねえだろうがよ。今さらとぼけんなよ、リッキー」

この答えにリカルドは不機嫌そうに眼を細めた。「それがてめぇの答えか。だったら、コイツの正体を聞いてもマトモに答えそうにねぇな。コイツがパワーを持ってることくらい、俺は感じとれるんだぜ」 そう言いながらリカルドは内ポケットから美しい宝石を取り出した。「だからコイツはてめぇにも、てめぇの黒幕にも渡さねぇ。さて、俺はもう休ませてもらうぜ。コイツは当分俺のモンだ」

こう言い放つとリカルドは背を向けたが、彼が足を踏み出そうとするより早く、鋭い音が小部屋の静寂を切り裂き、リカルドは手首に激痛を感じると同時に強い力で後ろに引き倒された。見ると、一本のムチが前腕にからみついている。そして黒い皮の装束に身を包んだ女が一人、暗がりから歩みでてきた。なんらかの魔法で身を隠し、ずっとそこに潜んでいたのだ。ねっとりとよく響き、それでいて花崗岩をも切り裂きかねない鋭さも含んだ声で女は言った。「そのうち判るんじゃないかしら、かわいいシーフの坊や。それは私の物だってことが」ヘビのような笑みを浮かべた女は膝をつき、リカルドの手をこじ開けてクリスタルを奪い取った。そして鞭を腰のあたりに納めると、少しの間眺めてからクリスタルをポケットに入れた。

「お行き。お前もバカではないでしょ。私に歯向かえばどうなるか、説明は必要ないわよね?」女はシーフの襟元を掴んで立たせると、埃を払ってやった。そして、浮かべた微笑みとはまるで逆の意味の言葉を発した。「ご想像におまかせするわ」紙のように蒼白になり半狂乱で部屋から転がりだしたリカルドを、女とシャンティの笑い声が追い立てる。リカルドはゲートに向けて一目散に逃げていった。まるで幽霊を見てしまったかのように。

ヤバい仕事

ヤバい仕事
2013/10/17

酒場は多くの客で賑わい、すぐには彼女は見つからなかった。ようやく彼女の姿を認め、男は微笑みを浮かべながら彼女のテーブルに向かい、同席した。「やぁ、待たせたね。こっちはほぼ収穫ナシ……話をしてくれる人がほとんどいないんだ。どうやらパプアを出た船は無し、僕らがあの難破船を見つけた頃は誰もサーペントピラーを使えなかった、ということらしい。それから、こんな不可思議な難破船は、これが初めてじゃないとも聞いた。今まで船が現れなかった所にさえ船団がいるっていうんだ。しかし誰が乗っているのかまでは判らない……僕が助けたあの人もまだ意識を取り戻していないし」片手で髪をかきあげ、イザヤ(Isaiah)は腹立たしげに息を吐いた。「で、君の方は何か判った?」

イザベル(Isabelle)は婚約者に笑いかけ、エールのマグから一口飲んだ。「そうね、無愛想な船員さんより、愛想のある美人の勝ちってとこかしら」と、いたずらっぽく言いながら彼女はウィンクしてみせた。「難破船を引き上げた船の乗組員が全部話してくれたわ。ああいう難破船は大抵積み荷を満載しているんですって……明らかに盗品のね。あれは海賊船なんじゃないかって彼らは考えているそうよ。だけど、どこから盗まれた物なのか全く判らないっていうのが気になるわね。出航した船の積載貨物目録には無い品々なんですって」イザヤの表情から彼が他の何かに意識を集中させていることに気づき、イザベルは眉をひそめた。「ねぇちょっと、聞いてるの?せっかく重要な情報だと思って話しているのに…」確かにイザヤは最初のうちはイザベルの話に夢中になっていたが、途中であるものが彼の注意をひいたのだ。イザベルに意味ありげな視線を送り、イザヤは声を落として言った。「そのまま話し続けて……なんでもいいから」イザベルはいぶかしげな表情をみせたものの、話を続けた。そしてイザヤは全神経を研ぎ澄まして隣のテーブルから聞こえてくる会話に耳を傾けるのだった……。

「へっ、オメーには期待してたんだがな……。まぁいい、サイオン(scion)に手を出してから、オメーもビビるようになっちまったってこったな。だろ?」と、男は薄汚れた歯を見せながらニヤリと笑い、目の前の身なりのいい男を見やった。

「ビビるだと?てめぇ、俺を誰だと思ってる。俺にそんなクチをきいていいと思ってんのか?てめぇがやったことは、屠殺場に子羊を送りこんだようなもんだぞ、この大馬鹿野郎。他のヤツらには、こんな仕事は無理だ」

「ほぉ、じゃあオメーならやれるってのかよ?どうなんだ?」

やや苛立った様子で男はダブレットの乱れを直し、口を結んで少し考え込んだ。「できるさ……だが、条件次第だ。報酬は何だ?」

薄汚れた歯の男は再びニヤリと笑い、テーブルの向こうから小さな袋を滑らせて寄こした。受け取った側はその袋を開き、ヒューッと短い口笛を吹いた。袋の中には、男がこれまで見たこともないような大粒の宝石が幾つか入っており、一緒に入っているメモには残りの報酬についての説明と、盗むべき品の詳細が書かれていた。男はフッと小さく笑うと、テーブルの向かいに目を戻した。

「オイオイ、俺はまだオーケーしてねぇよ。なのにこんな大層なモンをご丁寧に計画指示書付きで俺みたいなヤツに渡しちまうなんざ、ちっとばかりウカツなんじゃねぇのか?」

「フン…、あの女は見抜いてる。オメーは引受けるさ。違うか?」

顎に手をやり、長いこと考え抜いた末、男は答えた。「その女とやらに言っとけ。万事上手く行く。そして、ここにあるものは俺が全部いただく。それと……もし面倒事が起きるようなら、追加ボーナスをはずんでもらうぜ」

身なりの良い方の男が席を立った時、イザヤはイザベルとの会話に夢中で彼らの会話など耳に入っていなかったフリをした。というより、実際彼は途中からは興味を失っていた……なぜなら、イザヤの目下の関心事とは全く関係がなさそうな話であったから。婚約者に意識を戻し、彼はイザベルに微笑みかけた。「さて、もうここに居ても収穫はなさそうだ……スカラブレイか、あるいはトリンシックでなら何か判るかもしれない」最後にエールを飲みほし、彼は席を立った。「ベスパーは僕には風通しが良すぎるよ」


(以下、原文)
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北斗のムーングロウに最初のキャラが誕生。 その後、ロストランドが実装された時にデルシアに移住(トランメルができるまでデルシアが拠点となる)。 死の街やオアシスに毎日のように通ったが、PKも毎日のように襲撃してきた(おかげで逃げ足スキルは向上)。 過去何度か休止期間があり、2013年6月に復帰したものの仲間が引退または休止中でぼっち状態に・・・

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